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2022年02月11日
厄除祈願「棚流し」
本日、初老(年賀)を迎えた男子6名が、湊口神社の社務所で「厄除棚流し」を行いました。

「棚流し」は3部構成になっています。

第1部 「厄除棚祀」・・・「年棚」を設け祈願します。2回目の正月です。
第2部 「夜間参拝」・・・日没後に参拝。鳥居を3基くぐります。2回目の初詣です。
第3部 「厄除棚流」・・・引き潮の時間に海(川)へ流します。厄流しです。

1、地元では正月に「年棚(お年さん)」を用意します。「お年さん」は「おひつ」の中に
  小餅を12個(閏年は13個)入れて、恵方を向けて吊るします。
2、「夜間参拝」では年長者・本人・若年者の3名で参拝します。先頭の年長者は魔を祓う
  ため「小刀」などの刃物を懐に収め提灯を翳して先導します。
  帰宅時には妻が玄関先で出迎えて「2か2かと思ったら3でおめでとう」と声を掛ける。
3、「棚流」は引き潮の時間を見計らって、家族と共に流します。
  流した「厄除棚」は大鳴門渦潮の中心に鎮座する湊口神社の速開都比売神様が「厄」 
  という罪・穢をガブガブと飲み込んで浄化して下さいます。

  「祓詞」に登場する「伊邪那岐神様」そして「大祓詞」に登場する「速開都比売神様」は
  「お祓いの神様」として全国的に有名な神様ですが、両神とも淡路島出身の神様です。
  「棚流し」もまた全国的に珍しい当地ならではの伝統行事です。

※「棚流し」については本ホームページに詳細を掲載していますのでぜひ御一覧下さい。

本来は家族単位で行う伝統行事ですが、数年前から初老本人同士の合同行事となっています。
厄を流し祓うだけではなく、親・子・孫の家族の繋がりの中でこの行事に取り組むことで
神々の恩恵を大きく享受して頂ける行事です。それを自ら放棄して形骸化していることは
非常に残念なことです。伝統行事の衰退を目の当たりにして、これが今の日本の社会の縮図
ではないかと今後の地域社会ひいては日本の行く末を案じております。

伝統行事は伝統に従ってその通りやってみる事、その姿勢その姿にこそ祈りが込められ願いを
叶える力となります。本年の初老の皆様には、儀式をつまみ食いするだけではなく、ぜひご先
人の知恵と祈りがこもった儀式を継承し、親子家族の絆を大切に思い行動し実りのある厄祓に
なりますこと、そして今年は健康で無事に1年を終えることができますように。1千数百年の
歴史と祈りが込められた「渦潮の祓」「大祓の社」の伝統行事を侮ることなかれ。

湊口神社 宮司 拝


 

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